呪文


ただ優しく囁き 夜の闇さえ従わせ
紡がれるその言葉は 呪文の様に……

道行く人に見られもせずに 踏まれたことさえ知られずに
それでも雑草は 人よりも強く生きようとする

全てが無に還る時 人は何処へ行くのだろう
全てが無駄になったとき 人は何処まで強がれるだろう

そっと抱きしめられる 強く抱きしめ合う
愛されただけ強さも 優しさも変わる

愛って何だろう 人の強さの示すもの?
強さって何だろう 愛すること?愛されること?

人はいつから弱くなるのだろう 人々はいつの間に弱くなったのだろう
生まれたばかりの赤ん坊は それこそ強く自己をアピールするというのに

そっと囁く風の声 ただ人々を包み込み
ただ甘美に囁かれる 呪文の様で……