前原圭一のく頃に 米隠し編


魅音とレナからお見舞いのおはぎを貰った。
「まさか針なんて入ってないだろうな……。
 さすがにそれはないか」
早速そのうちの一つを掴み、豪快に頬張る。
「お、なかなか美味いじゃないか!
 ……うっ?!」
違和感を感じた。
「な、こ、これは……!!」
入って……ない?!
おはぎなのに中に何も入ってない?!
他のおはぎを手に取り、慌てて二つに割ってみる。
これはちゃんと入ってる……。こっちも……。
ちゃんと、他のには全て、つぶれたご飯が餡子の中に入ってるのに……。
これだけ、なにも入ってない……。ただの餡子玉じゃないか。



翌日、学校にて。
「魅音、おはぎ、美味かったぞ」
「あ、それは良かった。婆っちゃがね、おはぎ作るのが好きで……」
「で、どっちだ、入れなかったのは?」
「あ、その、私が……」
「お前、何をしたか分かってるのか?!(おはぎの)命にかかわるんだぞ?!」
その後、魅音に対し延々とおはぎの何たるかについて語る圭一だった。