葛西辰由のく頃に 着苦し編


「葛西、お願い!」
「無理なものは無理です、詩音さん」
「そこをなんとか!」
葛西の前で、頭を下げながら必死に頼む詩音。
「ですから、無理なものは無理です。
 大体、それは犯罪ですよ?」
そう、それを行うことは、とてつもない大罪であった。
だが、詩音にも言い分はある。
「犯罪?
 今までだって犯罪紛いどころか、普通に犯罪犯してたでしょ?」
「ですが、それとこれとは違います」
「お願い、どうしてもやって欲しいの」
「それを行うことで詩音さんが満足できるとも限りません」
「でもぉ……」
涙目で必死に懇願する。結局、葛西が折れることになった。
「……分かりました。
 後悔しても、知りませんからね」
「ありがとう、葛西!」



そしてエンジェルモートの制服に身を包む葛西だった。

「あはは!葛西さん、それ罰ゲーム?」
「いえ、これは詩音さんが……」
「……やっぱりお願いしなきゃ良かった……」